近年、インターネットの普及率・利用時間が上昇し、それに伴いオウンドメディア等の”Webメディアを活用した活動を行う企業”が増えています。
そんな企業がオウンドメディアの運用に取り組むうえで、重要となるのが「運営の体制づくり」です。
効率的にオウンドメディアを運営し成功に導くためには、「メディア運営に必要なメンバー・役割」を把握し、「自社で運営を行うのか、それとも外部委託しメディア運営を進めていくのか」を見極め、外部委託する場合は、「どんな方法があるのか」「そして重要なポイントは何か」などを理解しておく必要があります。
そこで、この記事では、「オウンドメディア運営において体制づくりが重要な理由」から始め、「オウンドメディア運営に必要なメンバーと役割」そして「コンテンツ制作の流れと役割分担」を解説した後、「オウンドメディア運営形態のパターン」「コンテンツ制作の外部委託をする方法と重要なポイント」「オウンドメディア運営を成功させるための要点」を紹介していきます。
この記事を読むと、オウンドメディアを成功させるための運営体制について、深く理解できるため、ぜひ最後までご覧ください。
オウンドメディア運営において体制づくりが重要な理由
企業がオウンドメディアの運用に取り組むうえで、重要となるのが「運営の体制づくり」です。企業によるオウンドメディア運営では、個人単位で発信するようなブログと異なり、「コンテンツの質や量の担保」「他業務とのリソース配分」等さまざまな超えなければならない壁があります。
そのために、運用を始める前段階での準備、体制づくりが必要になります。その理由を具体的に挙げると以下の3つになります。
- 効率的にコンテンツを制作するため
- 多岐に渡る業務それぞれに専門知識が要るため
- 良質なコンテンツを作りやすくするため
ここでは、上記3つの観点で、「体制づくりを徹底するべき理由」について解説していきます。
①効率的にコンテンツを制作するため
1つ1つの業務内容については、後ほど詳しく解説しますが、オウンドメディア運営において、必要となる業務は大きく以下の9つに分類されます。
- メディア全体の戦略設計
- 企画・施策の検討
- キーワード戦略・調査
- リサーチ・取材・ヒアリング等での情報収集
- コンテンツの骨子作成
- コンテンツ作成
- 校正・添削等の検収作業
- コンテンツの公開作業
- 効果計測及び改善提案
ざっと洗い出した業務内容で、上記9つになりますので、各作業において必要な工数はさらに増えていきます。このように、多くの業務内容が存在しそれに伴い時間的・人的コストを要しますが、オウンドメディアは別業務とのリソース配分の関係で、専任を付けられず、兼任する形で運営せざるを得ない企業が多いと思います。
限られたリソースで効率的に、しっかりと施策を練り、良質なコンテンツを定期的に発信していくには、適切な場所に適切な人員を確保し、役割分担を明確に行う”体制づくり”が必要不可欠でしょう。
②多岐に渡る業務それぞれに専門知識が要るため
オウンドメディアの運営において、体制づくりが必要な理由、2つ目は上記で挙げた多岐に渡る業務で、それぞれに専門知識が必要となるためです。
上記で挙げたように、オウンドメディア運営には多岐に渡る業務があり、それぞれに知識が必要になります。例えば、「①メディア全体の戦略設計」「②企画・施策の検討」「③キーワード戦略・調査」の上流フェーズでは、SEO関連の包括的な知識やWebマーケティング知識が必要と言えます。
「⑥コンテンツ作成」においては、SEOライティング・セールスライティングといったより専門的なライティングスキル、「⑧コンテンツの公開作業」では、Wordpressに代表されるようなCMSの扱い方、HTML・CSS周りの知識も必要となってきます。
こうした作業には、人により、得意不得意や向き不向きなどの傾向が出るため、すべての範囲をプロフェッショナルにこなせる人材は少ないでしょう。そのため、それぞれの作業を専門的に遂行できる、さまざまなスキルを持った人材が集まるよう体制をつくる必要があります。
③良質なコンテンツを作りやすくするため
オウンドメディアに限らずWebメディアでは、良質なコンテンツを制作・発信していくことで、はじめてユーザーが集まります。そして良質なコンテンツを制作するには、オウンドメディア運営部隊だけでなく、営業やマーケティング、カスタマーサクセスなど様々な部門との連携が必須となります。
例えば、営業部署の担当から顧客開拓において有用なホワイトペーパーをヒアリングしたり、マーケティングチームから市場動向を仕入れたり、カスタマーサクセスから既存顧客の声や要望を拾っていく作業などが有効的でしょう。こうした情報の流動性が必要となる場面で、きちんと体制が作られていると無駄なく効率的に、1次情報をコンテンツに反映させることができます。
オウンドメディアの運営に必要なメンバーと役割
ここまでの解説で、オウンドメディア運営において、体制づくりの重要性はご理解頂けたかと思います。
次にここでは、体制を整えるうえで、具体的にどんな役割・役職が必要となってくるか解説していきます。
①プロデューサー(全体統括)
プロデューサーはオウンドメディア全体を統括する重要なポジションです。メディアの方向性やコンセプトを社内でまとめ、リーダーシップを取っていくことが求められるため、社内の事業戦略を深く理解し、マーケティングの上流により精通している人がベストです。
主な業務はKPIやKGIを設定し、進捗状況を確認しながらサイトの全体の修正や改善を行うといったものになります。基本的に全体のまとめ役になるので、コンテンツ制作などには直接的に関わらない場合が多いです。
②ディレクター・編集者
ディレクター・編集者は、上述のプロデューサーとは異なり、記事制作や企画に責任を持ち、高品質なコンテンツ作成を大量に発信していくための指揮が求められます。
ディレクター・編集者が企画や執筆を行う場合もありますが、一般的には記事の品質チェックやフィードバック、ライターをマネジメントするのが主な業務になります。ライターとして一通り、ライティングスキルやSEOに関する知識の習得、ライターの働きかたなどの理解を深めた後、ディレクター・編集者になっていく場合が多くなっています。
特に、ライターとして実際にライティングを行うことで、ライターの気持ちをより深く理解し、マネジメントの際にもその経験を活かせるため、ライティングを行うことをおすすめします。
③ライター
上述のディレクター・編集者は、記事の企画立案、検収作業が主な役割で、ライティングを行うことはありません。それに対し、ライターはその名の通り、執筆作業を行いますが、執筆以外にも取材や撮影、デザインを担う場合もあります。
ライターはコンテンツ制作の土台を作る非常に重要な役割でありかつ、社内で執筆作業を行うにはリソースやノウハウがかなり必要となるため、より高品質なコンテンツを多く作成したい場合は、ライター業を専門として行う専業ライターに制作を外注することをおすすめします。
また、外注する場合は、運営しているオウンドメディアのテーマに関する知見を持っている人を選ぶようにしましょう。特にYMYLと呼ばれる医学や金融関係など専門性の高いテーマに関するオウンドメディアの場合は特にライターの知識が重要になります。
④その他メンバー
その他、状況に応じて必要となるメンバーとして、「SNS運用の担当者」「Webエンジニア・デザイナー」などが挙げられます。SNS運用担当者は、TwitterやInstagram等のSNSを活用し、オウンドメディアの認知拡大、アクセスへの導線を作ることが求められます。
Webエンジニアは、主にメディアの構築段階で必要となるパターンが多いです。WordpressのようなCMSを活用する場合、エンジニアはいなくても回りますが、フルスクラッチでサイトを構築したい場合にはエンジニアが必須となります。Webデザイナーに求められる役割としては、サイト内のデザイン面を考えたり、コンテンツ内の画像制作などです。
コンテンツ制作の流れと役割分担
ここまで、オウンドメディア運営時に必要となるメンバーとその役割について、解説しました。ここからは、「実際にコンテンツ(記事)を作成していくときの細かい流れ」と「各業務において、先に紹介したどのメンバーが担当するべきか」について言及していきます。
①サイトコンセプト設計・施策検討(担当者;プロデューサー)
まず最初に、「そもそもなぜWebメディアを運営するのか」その目的を今一度、明確にしましょう。
オウンドメディアであれば、「新規問い合わせ、新しいユーザーを獲得したい」「自社ブランディング・認知度の向上」「リピーターの獲得、顧客満足度の向上」等が目的となる場合が多く、アフィリエイトサイトのような、キュレーションメディアを運営する際には、広告主から収益を得ることが最大の目標となるでしょう。
目的を明確にした後は、その目的を達成するために、どのようなメディアにしていくべきか逆算し、サイトコンセプトを設計していきます。その際に、5W(「What」「Why」「Who」「When」「Where」)に沿って、各項目を埋めていくと、上手にまとめられるでしょう。
具体的には、以下の通りです。
- 「What」”ユーザー目線の目的”:ユーザーが抱えている課題や問題を想像し、Webメディア内で何を解決できるのかを考えます。
- 「Why」”メディアの意義”:Whatと被るところもありますが、「Why」では、そのメディアはどのような価値をユーザーに提供できるのかを考えます。
- 「Who」”ユーザーの対象”:メディアに訪問させたい「ペルソナ」を考えます。
- 「When」”サイト訪問のタイミング”:ユーザーがどんな時に、メディアを訪問するか考えます。(これは、後述するKW選定の際にも重要な概念です)
- 「Where」”利用デバイスの検討”:ユーザーがどこで、どんなデバイスを利用し、メディアを訪問するか考えます。
②キーワード検討(担当者;ディレクター)
「キーワード検討」とは、公開する各コンテンツ(記事)のテーマ・論旨となるもので、”ユーザーが検索しているキーワードを選ぶ作業”のことを意味します。ユーザーにとって「知りたい」「解決したい」「買いたい」「行きたい」のニーズを満たす様なキーワードで検索される場合が多く、基本的に1記事1キーワードで選定されます。
上述した通り、オウンドメディア運営の目的から逆算したペルソナ設計を行い、そのペルソナがどのような悩みを持ち、どんなキーワードで検索するかを考え選定しましょう。
実際に、キーワードを検討する際は、いきなりご自身で頭を悩ませるのではなく、競合サイトを分析してみたり、ラッコキーワード、Googleトレンドなどのツールを利用することをおすすめします。
キーワードプランナーなどのツールで、検索ボリューム(例えば、月間で何人が該当キーワードで検索をかけるのか)を出すことが可能であり、検索ボリュームが多いキーワードほど、上位表示された場合の効果は大きいですが、その分、競合も強く難易度が高いです。そのため、バランス良くロングテールキーワード(複数の単語を掛け合わせて検索されるキーワード)も混ぜていくことが重要です。
③構成作成(担当者;ライターorディレクター)
キーワードが決定した後は、いきなり記事執筆に入らずに、まずは見出しレベルでの構成、つまり記事の骨子を作成します。この時に、以下の観点で考えると、効率的に、良質な構成を作ることができます。
- ターゲットユーザー(ペルソナ)
- 記事で言いたいこと(解決するユーザーのニーズ)
- 上位(競合)サイトの傾向
- 競合記事との差別化ポイント
- サジェスト・関連ワード(複合で検索される語句)
- 成果地点
上記の項目を本記事に当てはめ、解説すると以下のようになります。
●ターゲットユーザー:「社内でWebメディア運営を検討中で、必要な役割や業務、運営体制を詳しく知りたい担当者」「現在Webメディアを運営中だが、効率的な運営が行えていないため、実践的な運営体制を知りたい担当者」
●記事で言いたいこと:Webメディア初心者がこの記事を見て、運営開始できるぐらい始めから終わりまで、網羅的に解説する。
●競合サイトの傾向:運営体制を整えるうえでのポイントや必要となる役割、具体的な業務内容を解説している。
●差別化ポイント:上記競合サイトで解説されている項目に加え、外注時の立ち回り等より詳しいレベルで、メディア運営を成功させるための要点や重要なポイントを解説していく。
●関連キーワード:「オウンドメディア運営 とは」「オウンドメディア 運用代行」「オウンド メディア 目的」など。
●成果地点:「ミライトマッチ利用クライアントがオウンドメディアの立ち上げや体制づくりを前向きに検討すること」「ミライトマッチMedia(ミライトマッチ)の認知拡大」
④記事執筆(担当者;ライター)
記事の構成・骨子が固まった後は、いよいよ執筆作業に入ります。執筆では、自社で行う場合、ライターに外注する場合に分けられますが、いずれの場合も選定したキーワードをなるべく見出しや文中に自然な形で含ませたり、読み手にとって読みやすい・理解しやすい文章を心掛けましょう。
また、執筆担当者によって、コンテンツの品質や文体にバラツキが出ないよう、あらかじめ記事執筆のレギュレーションを作成しておくことをおすすめします。
⑤検収
記事が完成した後は、検収を行いましょう。検収には以下のような作業が含まれます。
- 記事が媒体(メディア)のルールや企画の方針を守っているか確かめる作業
- 文章を読み込み、内容の間違いや事実をする作業
- 文章の内容は読まず、読者にとって読みやすく修正する作業
以下の画像のように、具体的な「検収時のチェックポイント一覧」を知りたい方はこちらのフォームより、お申込みください。
⑥記事公開・最終チェック(担当者;ディレクター)
検収が完了した記事は、公開し、デザインの崩れや画像の乱れ等が無いか最終確認を行いましょう。
なお、各記事の進捗状況を可視化するため、以下のような形で管理することをおすすめします。
⑦効果測定(担当者;プロデューサーorディレクター)
公開作業と最終チェックが済んだ記事は、定期的に効果を検証していきましょう。具体的な効果検証の方法はここでは、割愛しますが、Googleアナリティクス、サーチコンソール、ptengine等の解析ツールを活用し、PV数、検索クエリ、読了率、検索順位、ヒートマップなどを分析していくことをおすすめします。
オウンドメディア運営形態のパターン
オウンドメディアの運用形態は、大きく「自社で運営するパターン」と「外部委託による運営代行」の2種類に分類できます。さらに「外部委託」も「完全外部委託」「企画の外部委託」「コンテンツ制作の外部委託」の3つに分類されます。
ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
①自社内運営
1つ目の形態は、記事制作・企画、オウンドメディアの運用から効果測定、改善まで自社スタッフにて実施する「自社内運営」です。
社内に、プロデューサーやディレクターさらに、ライターが十分に揃っている場合や、ある程度メディア運営のノウハウが蓄積されている企業であれば、自社内運営をおすすめします。さらに、自社内運営では、外注の予算確保がいらず、信頼できるパートナーを探す時間も削減できるでしょう。加えて、専門的な内容であった場合も言語化しやすく、企業独自の強みを生かした運営が行いやすいという点も無視できません。
しかし、メディア運営に必要なメンバーが十分に社内にいない場合、ノウハウが少ない場合は、かえって作業コストやが膨れ上がってしまう可能性があるため、人件費と外注費を天秤にかけ検討してみるといいでしょう。
・外注予算が不要
・メディア運営のノウハウ蓄積が見込める
・専門的な内容もカバー可能
●デメリット
・スタッフの確保、人件費が必要
・ノウハウ蓄積や学習等の教育コストがかかる
・他業務を兼任するのが難しくなる
②-1外部委託(完全外部委託)
「記事制作・企画、オウンドメディアの運用から効果測定、改善」をすべて専門業者に委託する方法です。メディアの運営経験が無い企業でも、専門的なノウハウを持つ業者に外部委託することで、短い期間で最大の効果を出すことも可能でしょう。さらにオウンドメディア運営に割く社内スタッフの削減にも繋がります。
ただし、メディア全体の方針やコンセプト設計等の上流部分まで、専門業者に丸投げした場合、自社の意図とは違う方向へとメディアが変化してしまう恐れがあるため、きちんと擦り合わせを行う、もしくは戦略的な部分は自社で固め共有していく必要があるでしょう。
・社内スタッフの人員確保が必要ない
・社内スタッフがリソースを削減できる
・メディア運営を専門としている業者のノウハウを活用できる
●デメリット
・外注コストが高い
・外注先との調整や方向性の判断など、全体統括ができる社内スタッフが必要
②-2外部委託(企画の外部委託)
オウンドメディアの企画のみを外部に委託するパターンです。この場合の企画は、オウンドメディアの運用前なら、戦略にあたるものであり、今後の運用、ペルソナの設定、記事の投稿回数なども企画の段階から設定します。また、オウンドメディア運用後であれば、企画はテーマ選定や提案のことを意味し、メディアの記事の偏りを防ぐ効果があります。
企画や提案を専門業者に発注する場合と、企画提案もできるフリーランスのディレクター・ライターと個人契約を結ぶ場合とがあります。信頼に足るフリーランスを探す工数や管理体制の整備が必要となるでしょう。
・外部の意見を取り入れることでメディアの活性化が見込める
●デメリット
・外注先の確保が必要
②-3外部委託(コンテンツ制作の外部委託)
企画を自社で立案しながら、構成作成、記事執筆などのコンテンツ制作を外部委託する方法です。企画の外部委託同様、制作を専門業者に発注する場合と、フリーランスのライターと個人契約を結ぶ場合とがあります。
制作はライター、全体統括と検収作業を社内スタッフが実施することによって、方向性や品質を維持しつつ更新頻度を増やすことができます。さらに、ライターを専業とする「専業ライター」は、ライティング経験が蓄積されていることから、良質なコンテンツ作成が見込めるでしょう。
こうして、業務を明確に分担することで、効率的に良質なコンテンツ作成を行うことが出来ますが、自社メディアが要求するクオリティを満たすライターを見つけることが、最大の課題です。
またきちんと双方でコミュニケーションを取り、マネジメントを行わないと、出戻り作業が多くなりかえって、工数が多く取られてしまうなどの結果に陥る可能性があります。
社内スタッフの工数を削減することができる
良質なコンテンツを高い頻度で更新が可能
●デメリット
外注ライターの選定やマネジメント業務が発生する
信頼できる外注先の確保が困難
コンテンツ制作の外部委託をする方法と重要なポイント
ここまで、オウンドメディア運営形態として、「自社内運営」「完全外部委託」「企画の外部委託」「コンテンツ制作の外部委託」の4つをご紹介しました。ここからは、4つのうち一番導入の障壁が低く、おすすめの「コンテンツ制作の外部委託」にフォーカスし、”コンテンツ制作の外部委託をする方法と重要なポイント”について解説していきます。
具体的な方法としては「ライター/ディレクターを採用する」「記事作成代行業者に依頼する」の2種類があり、重要なポイントは以下の5つです。
- 委託先と契約を締結する
- レギュレーションを作成する
- サイトの方向性やビジョンに共感してもらう
- 買いたたきをしない
- こまめなコミュニケーションで関係値を築く
それでは、詳しく1つ1つ解説していきます。
外部委託の方法①「ライター/ディレクターを採用する」
1つ目の方法は、ライターもしくはディレクターをクラウドソーシングやライターマッチングサービス等で、起用することです。
ライター/ディレクター採用のメリットは、上述したように、「社内スタッフの工数を削減することができる」「良質なコンテンツを高い頻度で更新が可能」「記事コンテンツの幅を広げられる」などが挙げられます。
クラウドワークスやランサーズに代表されるクラウドソーシングサービスは、比較的安価でライター/ディレクターを採用することが可能なため、「執筆難易度がそれほど高くないコンテンツを大量に発信したい際」「単発でいろいろな人に記事作成をお願いしたい場合」などに、おすすめです。
「よりハイレベルで専門知識を持つ専業ライターを採用し、高品質な記事を作成したい」場合や、「直接契約して継続的に同じ人とお付き合いしていきたい」場合などは、プロライターが集まるミライトマッチのご活用をおすすめします。
外部委託の方法②「記事作成代行業者に依頼する」
2つ目の方法は、「記事作成代行業者に依頼する」ことです。記事作成代行業者とはその名の通り、「記事作成を代行してくれる会社」を指します。記事作成代行業者では、ライティングだけでなく、ディレクションやライターへの依頼、納品管理やコンテンツの品質管理などの工程を全て請け負ってくれる場合が多いです。
大まかな流れとしては、契約内容にもよりますが、一般的に以下のように進行します。※()内が担当です。
- メディアの方針やテーマの共有(自社)
- KW選定及び提案(記事作成代行業者)
- KWの決定(自社&記事作成代行業者)
- ライター採用(記事作成代行業者)
- 記事執筆(ライター)
- 検収(記事作成代行業者)
- 最終チェック(自社)
- 公開作業(記事作成代行業者)
- 効果検証及び改善提案(記事作成代行業者)
外部委託する際の重要なポイント①「委託先と契約を締結する」
フリーランスのライターやディレクターに外注する際は、必ず業務委託契約書を交わすようにしましょう。契約書を交わさない企業やライターも多いですが、契約後にトラブルにならないように予めリスクヘッジしておきましょう。
一般的に、業務委託契約書では「業務目的」や「業務内容」「報酬や費用」「契約期間や納品方法」「守秘義務」「契約更新・解除条件」等が記載されます。
締結する相手によって、異なりますが、一般的に以下のような内容が盛り込まれていることが多いです。
- 業務内容
- 報酬について
- 契約期間
- 納品方法
- 瑕疵担保
- 知的財産権・著作権
- 秘密保持
- 契約更新・契約解除
- 損害賠償
- 禁止事項
外部委託する際の重要なポイント②「レギュレーションを作成する」
ライターに記事制作を御願いする際には、レギュレーションを作成し共有することをおすすめします。
メディアでは、複数人のライターに記事執筆をする場合が多い為、コンテンツの質にバラツキが生じてしまいます。そんなときにレギュレーションとして執筆ルールが定められていると、ある程度品質を揃えることができるのです。
さらに、修正点が出るたびに、フィードバックしていると、お互いに工数が発生し続けてしまいます。工数を削減し、効率的に業務フローを回すためにもレギュレーションが必要です。
レギュレーションに記載する内容としては、以下の項目は最低限入れておくのが良いでしょう。
- メディアの目的とターゲット層
- 構成作成の手順と方法
- CMSやHTMLタグの使用方法
- タイトル・見出し・本文の文字数
- 引用して良い・良くない情報源
- 表記・NGワードの統一
- 画像掲載のルール
- 執筆後のチェック項目(コピペチェックや誤字脱字チェック)
また、ライターに対し頻繁に行う指摘は、レギュレーションに盛り込み、定期的にメンテナンス(更新)するようにしましょう。
外部委託する際の重要なポイント③サイトの方向性やビジョンに共感してもらう
サイトの方向性や伝えたいことが不明確な場合、ライターとイメージに乖離が生まれ、修正などの出戻りが多くなる要因にもなります。
そのため、メディアを運営する目的や目指している像などを公開可能な範囲でライターに共有しましょう。抱えている自社の課題や実情を共有することで、ライターに「この会社の力になりたい」と思ってもらえれば、納品スピードや質も変わってくるはずです。
また、そうしたメディアの方向性や伝えたいことが決まっていない場合は、上述した「①サイトコンセプト設計・施策検討」を参考に、それを考えるところから始めましょう。
外部委託する際の重要なポイント④買いたたきをしない
記事作成をお願いするライターを買いたたいてしまうと、結局互いが不幸になってしまうケースが多いです。ライターに求める水準と、その水準に見合った報酬のバランスがとれてい無い場合、教育コストやディレクション工数がかさみ、最悪、バックレやコピペなどトラブルの原因にもなります。
そのため、適切な報酬を支払い長期的に関係を続けたほうが、コミュニケーションコストや教育コスト、再採用コストが減り総合的にコスパが良くなります。また、ライターがディレクターに昇格することで互いに恩恵を享受できるといったパターンもあります。
外部委託する際の重要なポイント⑤こまめなコミュニケーションで関係値を築く
採用したライターとは、こまめにそして丁寧に連絡を取るようにしましょう。また、基本的にチャットツールなどを用い、テキストでコミュニケーションする場合が多いですが、「冷たい文章にしない」「主観的な指示をしない」「客観的な理由や納得できる理由を添えて指摘する」といったことを心がけましょう。
手軽に良い印象を与えられるおすすめ方法は、返信する文章の一文目に感謝の言葉を添えることです。例えば、ライターから構成案や記事のチェックをお願いされた場合、修正ポイントを指摘する前に、「構成案(記事)の作成ありがとうございます。」を添えたり、何か質問された場合は、「質問ありがとうございます。/ご連絡ありがとうございます。」などを添えてあげると良いイメージでお仕事を進めることが出来ると思います。
オウンドメディア運営を成功させるための要点
ここまで、 「オウンドメディア運営において体制づくりが重要な理由」から「コンテンツ制作の外部委託をする方法と重要なポイント」まで解説していきました。最後に、ここでは「オウンドメディア運営を成功させるための要点」を以下の3つご紹介したいと思います。
- タスク管理に工数を使いすぎない
- 各種ツールを駆使する
- 事前準備を整えてからコンテンツを制作する
詳しく見ていきましょう。
①タスク管理に工数を使いすぎない
細かすぎるタスク管理は、かえって非効率になってしまう原因になるため、おすすめできません。具体的には、記事作成等の進捗管理及びタスク管理をきっちりと細かくしすぎると形骸化してしまうなどの失敗があります。
まずは大まかに進めてみて、QCD(Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期))がうまく回らなかった時、管理コストをあげていくようにしましょう。
②各種ツールを駆使する
オウンドメディアを運営する際には、可能な限りツールを活用するようにしましょう。
Google Analyticsなどの分析ツール、「Trello」「Asana」など進捗管理ツール、「文賢」や「Copy content Detector」などのクオリティチェックツールなど、優れたツールが多いため、キーワードを考えるにせよ、コピペチェックするにせよ、日本語チェックするにせよ、自動化や質を高めるツールを活用しましょう。
また、簡単に無料に使えるツールは多いので、たくさん使って自社にあったものを見つけていくことをおすすめします。
③事前準備を整えてからコンテンツを制作する
初心者がオウンドメディア運営の際にやりがちな失敗として、「いきなりSEO対策向けの記事作成を実施すること」があります。メディアの特性やテーマ・ジャンルなどによっても異なりますが、まずは狙いたいKW別の検索ボリュームを見たり、リスティング広告を打ってみてPV数やCVRなどの指標をチェックなど、SEOで上位表示されたときのシミュレーションをしましょう。
また、そもそもSEOの効果が表れるまでには、ある程度の期間が必要となります。そうしたリードタイムも頭に入れつつ、コンテンツ制作に入る前に、計画を考えたり、シミュレーションすることが重要です。
おわりに
株式会社IT&Pluckticeでは、記事内で紹介した、「オウンドメディアの外部委託事業」を展開しています。
「Webメディア立ち上げ後、1年で月商100万円の収益化」
「支援先企業のメディアにて、立ち上げて2年で月間10万PVの達成」などがあります。
さらに、完全外部委託に加え、ミライトマッチを活用した、「ライター/ディレクターの紹介」も可能です。
オウンドメディアの立ち上げにお悩みの方がいらしたらぜひお気軽に無料相談をお申込みください。
監修者プロフィール
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【プロフィール】
・新卒でアクセンチュア株式会社に入社し、2019年に株式会社IT&Pluckticeを創業
・SEO記事制作現場におけるマッチングの課題感を解決すべく、ライティング人材に特化したマッチングサービス「ミライトマッチ」を立上げ・運営
【実績】
・Webマーケ会社にて、複数SEOメディア事業の立ち上げ、収益化に貢献
・2021年に「ミライトマッチ」をリリースし、1900名以上のフリーランスを集客。企業と人材のマッチング率は約90%を誇る
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