【1日で42名】応募が集まりやすい求人の作り方~現役フリーランスのアンケートから読み解く~

【1日で42名】応募が集まりやすい求人の作り方~現役フリーランスのアンケートから読み解く~

副業解禁やクラウドソーシングの普及により、日本国内でフリーランスを活用する企業が増えています。みなさんも外部の業務委託人材を募集した経験、1度はあるのではないでしょうか?

一方、「外部人材を集める際の募集要項に何をどのように書くべきか」と聞かれて明確に答えられる方はそう多くはないと思われます。

弊社では、フリーランスのライティング人材と企業をマッチングするサービス「ミライトマッチ」を提供しており、人材を探す企業様から案件情報を提供いただいたり、要件をヒアリングしてスタッフが案件情報を作成し、フリーランスに求人を配信しています。

今回、ミライトマッチに登録するフリーランスにアンケートを実施し、どのような案件が魅力的か、応募したくない案件はどのような案件か、求人に必ず含めて欲しい項目は何か、などの回答を集めました。

この記事では、そのアンケート結果と、ミライトマッチ運営者の視点も含めて「応募が集まりやすい求人の作り方」を解説します。

この記事の想定読者

アンケートの回答者属性

■実施期間:2023年12月23日~29日
■対象者:ミライトマッチの登録フリーランス
■回答人数:49名
■回答者属性①ライティング歴

ライティング歴 人数(名) 割合
1年以下 2 4%
2年 4 8%
3年 6 12%
4年 7 14%
5年 7 14%
6年 5 10%
8年 3 6%
9年 1 2%
10年以上 14 29%
合計 49 100%

■回答者属性②ライティングとの関わり方

ライティングとの関わり方 人数(名) 割合
専業(フリーランス、または法人代表) 36 73%
副業(ライティング以外の本業の仕事が存在し、ライティングは副収入的な位置づけ) 10 20%
本業かつ副業(会社員として関わりつつ副業でもライティング案件に関わる) 3 6%
合計 49 100%

ライター歴10年以上、ライティングが専業のフリーランスの方が多く回答していただきました。(ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!)

ライターにとって魅力的な案件

ライターにとって魅力的な案件

まずはじめに、「あなたにとって魅力的な案件を教えて下さい」に対する回答です。

フリーフォーマットで回答いただいたため、運営スタッフでコメントを拾って分類しました。その中で2件以上集まった回答をご紹介します。

回答分類 コメント数
継続的な案件 29
高単価な案件 22
強みや知識が活かせる 14
適正価格な案件 8
取材案件 5
興味関心がある案件 4
案件内容が具体的 2
納期が柔軟 2
その他 15

もっとも回答数が多かったのは、「継続的な案件」、次に「高単価な案件」、3番目に「強みや知識が活かせる」でした。

継続的な案件がもっとも多く挙げられた理由は大きく2点と考えています。
1つは、「安定した収入が欲しい」から。フリーランスは会社員と異なり、先々の収入が保証されていないため、中長期にわたって報酬を確保できる見込みが高い案件があると安心です。

2つ目は、「キャッチアップコストを抑えられる」から。ライティングは、テーマが変わると書く内容も変わりますし、クライアントが変わると執筆ルールや納品基準が変わります。できる限り類似テーマで同じフォーマット、同じ納品基準の中で仕事をつづけたほうが効率よく仕事を進められます。

回答数が2番目に多かった「高単価な案件」については説明するまでもないと思います。

3番目に多かった「強みや知識が活かせる」については、強みが活かせることで高単価になりやすく、クライアントの満足度も高めやすいです。これが継続的な発注にもつながり、強みに磨きがかかり、さらに高単価になる、という好循環を生み出せることが最大のメリットです。

ライターが応募したくない案件

ライターが応募したくない案件

次に、ライターが応募したくない案件の特徴も回答していただきました。

項目 コメント数
単価が低い・不適切 28
内容が不明瞭 12
短納期 6
スキルアンマッチ 5
レギュレーションが煩雑 3
発注者の評判 2

もっとも多いコメントは「単価が低い・不適切」です。具体的な数字を書いている方だと、文字単価1円~2円以下は応募しないという回答が見受けられました。
「不適切な単価」は言い換えると「業務量に対する設定単価が不適切」です。例えば、構成案の作成や画像選定、CMSの入稿という依頼業務に対して、文字単価1円以下、などです。

次に多いのは「内容が不明瞭」。主に、「作業内容が不明瞭」「報酬が不明瞭」の2つに分類できます。依頼したい仕事が一言程度しか書かれておらず、結局何をどれくらい作ってほしいのかわからない案件や、報酬の幅が広すぎる案件、そもそも報酬が書かれていない案件は、工数や報酬、具体的な業務イメージが湧かず手を挙げようにも挙げられません。

また、これは個人的な経験に基づく話ですが、不明瞭な案件ほどトラブルに発展しやすいです。発注主の頭の中ではここまでやってくれるよね、という期待値があったとしても、受注側がその期待値をあらかじめ認識することができず、案件が走り始めてから齟齬が生まれてしまいトラブルに発展しがちです。(おそらく独立している方はこのようなトラブルを一度は経験されているのではないでしょうか。「不明瞭な案件=トラブルに発展する」を肌で感じ取って、警戒してしまうのだと思います。

ちなみに、「応募する際に必ず確認する項目は何ですか」という質問に対する回答で特に多かったのも、「報酬」「作業量」「納期」でした。応募したくない案件トップ3と、必ず確認する項目のトップ3が同じ結果となったことからも、「報酬」「作業範囲と作業量」「納期」は明確に書いておくべきです。

応募が集まりやすい求人の書き方

応募が集まりやすい求人の書き方

ここまでで、ライターがどのような案件を好み、どのような案件を嫌うか見てきました。

ここからは、より多くの応募者を集めたい場合にどのような書き方をすると良いのかご紹介します。

書き方①報酬の高さを目立つ位置に書く

ポイント1

ミライトマッチでは、運営スタッフが案件情報を纏め、登録ライター宛てにメールを配信しています。

今回、その配信メールの分析をしてみたところ、報酬の高さを件名で表現したメールは反応率が圧倒的に良いことがわかりました。

■案件情報の配信件名と各種数値

# 件名 開封率 クリック率 応募件数 本文記載単価
1 【文字単価6円】セールスレター文面作成|ミライトマッチ 77.37% 10.72% 62 文字単価6円
2 【継続案件】XXXに掲載する求人記事とコラム作成|ミライトマッチ 71% 0.32% 34 文字単価約3円~7円
3 【単発取材案件】XXX企業の社員インタビュー記事作成|ミライトマッチ 65.21% 0.32% 26 1記事1~21000円
4 【最先端テーマ案件】XXXのレポートを一般の方向けに記事化する業務|ミライトマッチ 59.20% 0.37% 29 見積ください
5 【文字単価4円】XXXのオウンドメディアSEO記事作成案件|ミライトマッチ 69.27% 0.76% 30 文字単価4円
6 【単発案件】XXX向け記事作成|ミライトマッチ 67.36% 0.32% 26 1記事3万5000円まで
7 【文字単価2~2.5円】XXXの記事作成案件|ミライトマッチ 56.70% 1.49% 31 文字単価2~2.5円
8 XXXのSEO記事作成 | ミライトマッチ 61.27% 0.21% 37 文字単価2円
9 【文字単価5円】XXXのイベントレポート執筆(2500字前後)|ミライトマッチ 74.20% 9.67% 26 文字単価5円
10 【継続案件】XXXのコラムのライティング|ミライトマッチ 66.44% 0.27% 27 見積ください

※XXXにはジャンルやテーマが入ります
※クリック率は、応募フォームのクリック率を指します

ご覧の通り、文字単価を件名に入れている案件(#1、#5、#7、#9)は、そうでない案件と比較してクリック率が2倍以上になっています。

また、#7と#8は本文中に記載している単価がほぼ同じでも、件名に文字単価表記を入れている#7の案件は、クリック率が約7倍となっていることがわかります。(記事のジャンルや難易度の差はないです)

書き方②業務内容や範囲をしっかり書く

ポイント2

アンケート結果をご紹介してきた中で十分理解していただいていると思いますが、業務内容や業務範囲が不明瞭な案件には応募が集まりません。報酬だけでなく「工数感がわかる情報」を含めることを意識してください。

ただ、工数感がわかる情報が何かは、ライティングの現場を経験したことがある方にしかわからないと思います。そこで、ライターの見積ロジックについて簡単にご紹介すると、工数感を見積もるときは、おおよそ「業務量」と「業務範囲」を掛け算するようなイメージです。業務範囲は記事の制作プロセス、業務量は文字数×記事数です。(見積方法は、成果物や業者によって異なりますのでご留意ください)

以下の図はWeb記事を作成する場合の業務範囲と業務量を示しています。参考にしてみてください。

業務範囲と業務量

実際に求人に書くときは以下のようになります。

~前略~
■業務範囲:記事執筆のみ(テーマや構成案は事前にお渡しします。画像選定や入稿作業も弊社で行います)
■依頼量:1記事4000字、月に5記事
~後略~

あとは、扱うテーマの難易度によって調査工数(上図では構成案または記事執筆に含めています)が変わることと、その時代にあった相場感も加味して単価が決めています。(現在は、旅行や飲食など一般的な話は比較的安く、医療、法律、金融など専門的な話は比較的高くなります)

書き方③必須要件を絞り、任意要件とうまく使い分ける

ポイント3

「ライターにとって魅力的な案件」「ライターが応募したくない案件」でご紹介した通り、自分の得意分野を活かせる案件は魅力的ですし、スキルアンマッチな案件は応募したくないと思う方は多いです。

案件情報を見たときの応募者の心理を考えてみると、求められるスキルが自分のスキルとマッチしていない場合、応募したとしても弾かれてしまうと考えるはずです。

よくある集まりにくい求人の書き方として「必須要件が厳しく設定されている」ことが挙げられます。例えば、「Javaを使ってWeb開発した経験が5年以上ある方」を必須要件とした場合。おそらくJava言語に関する記事作成を依頼したくてこのような要件にしているのだと思います。

この求人を応募が集まるように書くとしたら、必須要件を「Javaについて知識がある方、またはプログラミング経験がある方」とし、任意要件(歓迎要件)に「Javaの開発経験が5年以上」と書きます。

最初は出来る限り必須要件のハードルを低くし、任意要件や歓迎要件に求めている人材像を明示しておくのポイントです。

専門性が高いテーマほど、ピンポイントな経験や知識を持つライターは一握りで、他案件でリソースが埋まっていたり、高単価でないと発注できないケースが多いです。

そのため、類似の知見や経験を持っていてリサーチすれば知識を補えるラインを見極めて必須要件を設定し、ある程度集めた複数の応募者の中から任意要件をカバーしている方を選ぶことをおすすめします。

まとめ

まとめ

ライター視点のアンケート結果や、応募者が集まりやすい書き方をご紹介しましたが、いかがでしたか。

まだ慣れていない方は、最初はとにかく「具体的に書く」を意識すると良いかと思います。

また、そもそも依頼内容の解像度が低いと具体的に案件情報を書くことはできません。応募が集まる案件情報を書くためには、どのような業務を依頼するのか、どんなスキルや知見を持つ人がいればいいのか、発注者自身が理解していないと案件情報は書けません。

そして、それを理解するには、「なぜ今回ライターを募集することになったのか」を言語化することが重要です。ライターをアサインすることで解決したいことが見えれば、依頼すべき業務や人物像も見えてくると思います。

そうはいっても、どうやって考えたらいいのかわからない、案件情報の書き方をもっと詳しく知りたいという方は、私も含めミライトマッチのスタッフがサポートしますので、お気軽にご相談ください。

ライターを探す時間がない方や、他媒体では見つからず困っているという方もぜひお声掛けください。

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