
電子書籍を外注して作りたいと思っても、
「レベルの高いライターじゃないと成立しないのでは?」
「ちゃんとした人に頼むと、かなり高額になるのでは?」
と不安を感じて、一歩を踏み出せずにいる方は多いのではないでしょうか。
実際、電子書籍は通常の記事制作とは異なり、構成力・専門性・読者設計・編集力まで求められる“難易度の高いコンテンツ”です。
その分、外注費用も高くなりやすく、「失敗したら怖い」「コストに見合う成果が出るのか分からない」と感じるのは、決して無理もありません。
しかし結論から言えば、電子書籍は“正しい外注の仕方”を知っていれば、高すぎない適正価格でも“成功させる”ことが可能です。
本記事では、
・電子書籍を外注化する具体的な流れ
・費用相場のリアル
・よくある失敗例と成功のコツ
をすべて整理したうえで「レベルの高いライターに現実的な価格で依頼する方法」まで、わかりやすく解説していきます。
電子書籍の外注化とは?内製との違い

電子書籍の外注化と自社で電子書籍を制作する内製との違いをそれぞれ解説していきます。
電子書籍制作を「外注化」するとはどういうことか
「外注化」とは、自社で電子書籍を制作する工程を外部ワーカーに委託することを指します。
たとえば、クラウドソーシングで募集をかけて執筆をライターに委託したり、表紙デザインをデザイナーに委託したりと業務を任せていきます。
外部ワーカーは、既に専門スキルや実績を有するため即戦力になります。したがって、迅速に高品質な納品物を作成できるのが特徴です。
内製と外注の違いを比較(コスト・スピード・品質)

「内製」とは、自社スタッフのみで電子書籍の制作を完結させることを指します。外注に頼らずに社内ノウハウのみで業務を完結できるのが特徴です。
| 内製 | 外部ワーカーへの外注 | |
| コスト | 自社で工程を完結できるため、委託コストが不要です。 ただし、採用や人材育成に時間とコストがかかります。 | 専門知識とスキルを習得しているワーカーに委託するコストがかかります。 期間限定のリソースになるため、人件費を削減できます。 内製と違い育成コストがないのも魅力です。 |
| スピード | 一連の業務フローが社内で完結できるため、スムーズに業務を進行できます。 ただし初期段階は、スタッフの育成に時間を要するため、作業ペースは遅くなる傾向にあります。 | ネットで外部のワーカーに委託する性質上から、すぐにワーカーに依頼できます。 業務フローさえ共有できれば、人材育成の労力をスキップできるためスピーディーに対応できます。 |
| 品質 | 内製は自社スタッフの経験とノウハウが徐々に蓄積されていきます。 ノウハウの蓄積から、将来的な品質の担保が期待できる魅力があります。 | 専門性を有する即戦力を確保できるため、高いクオリティーに期待できます。 品質の担保のためにも依頼側は、業務委託契約の締結前に、スキル精査が必要です。 |

続けて、制作会社や編集プロダクションに外注するケースもみていきましょう。両者ともに管理体制が整ったプロのチームに外注できるため、スピードと品質に優れています。
| 制作会社への外注 | 編集プロダクションへの外注 | |
| コスト | コストは、固定レイアウトやリフロー型といった書籍レイアウトごとに値段が設定されています。 さらに、追加オプションやページ数などに応じて値段が変動します。 | 成果に直結するコンテンツ制作をプロのチームに外注できるため、コストは高額になる傾向にあります。 |
| スピード | すでに、制作会社内で書籍制作を完了できる管理体制が整っているため、スピード納品に対応できます。 3日〜14日以内に納品のような、短納期での体制が整っている企業が存在します。 | 自社で管理していた全管理業務を外注先のディレクターが担当します。 ディレクターとコミュニケーションを取るだけで、プロのライターやデザイナーといったチームを動かせるため、迅速に対応できます。 |
| 品質 | 実績を持つスタッフが組織に在籍しているため、高い品質が期待できます。 社内での成功事例の蓄積から、売れるタイトルやデザインなどを提案してくれるのも魅力です。 | プロのライターが戦略的に導線を設計するため、成果重視のコンテンツが期待できます。 たとえば、電子書籍の制作ならAmazon内でダウンロードされやすい導線を戦略的に設計してくれます。 文章の品質も担保されるため、読者の離脱率が低い文章に仕上がるでしょう。 |
電子書籍外注の流れ|企画〜出版までの全工程

電子書籍を外注化する流れは、以下7つの工程で構成されています。
- 目的整理
- リサーチ
- 企画設計・構成作成
- 執筆・編集・校正
- 表紙制作
- E-PAB化
- KDP登録と出版
工程の詳細をそれぞれ解説していきます。
目的整理

目的整理とは、電子書籍を発行する目的を明確にする段階です。目的整理は自社商品のブランディング、メルマガ登録といった、目的の洗い出しからはじまります。
もう少しかみ砕くと以下のような目的が考えられます。
- サロンの集客数を増やしたい
- 無料体験会の申込みを増やしたい
- LINE@(ラインアット)への登録を増やしたい
- 著者のSNSフォロワーを増やしたい
整理されると、出版したい電子書籍のテーマが明確になるでしょう。
目的整理の際は、想定読者の設定も重要です。読者のライフスタイルや職業、悩みなどを想像して書籍を読ませたい人を想像してください。
“悩める読者に対して、自社ノウハウでどう解決できるのか”を紙に書き出してみましょう。目的があると方向性がみえて外部ワーカーにも指示しやすいので、目的整理は重要です。
リサーチ

目的整理が完了したらリサーチを実施します。実は、書籍の執筆よりもリサーチの方が重要な工程です。
理由は、リサーチせずにニーズがない書籍を発行すると読者に認知されないからです。したがって、外注時はワーカーのリサーチスキルも精査する必要があります。
外注化する場合は、リサーチの手順書を共有しておいた方がスムーズです。具体例を参考に外注マニュアルを作成しておきましょう。
リサーチの具体例
ここでリサーチをお願いする際に、「どうやって調べてもらうの?」という疑問が湧いてくると思います。具体的なリサーチには以下の方法があります。
| • Amazonでのニーズ調査 STEP1:書籍にしたいジャンルのキーワードでAmazonで検索する STEP2:類似する書籍が売れているのか調べる(ベストセラー表示やレビュー数) • Yahoo知恵袋ニーズ調査 STEP1:自社の強みとなるキーワードでリアルな悩みを発見する STEP2:悩みとベストアンサーを抽出する • X(旧Twitter)でのニーズ調査 STEP1:書きたいジャンルの競合アカウントを探す(アカウントが少ない場合は、需要が少ない) STEP2:エンゲージメントが高いツイートをピックアップする • リアルでのアンケート調査 商品購入者からのアンケートからニーズを発見する |

ほかにも、売れていないAmazon書籍のリサーチも役に立ちます。売れていない理由や記事構成の特徴を言語化しておくと競合との優位性を確立できます。
企画設計・構成作成
リサーチしてニーズを調査したあとは、書籍の企画設計と記事構成に移ります。
まず「企画設計」には、以下の要素が含まれています。
- コンセプト
- 書籍タイトル
それぞれの要素を解説していきます。
コンセプトを考える

コンセプト作りの段階では、電子書籍の概要を一言でまとめてみてください。
「この本は(読者の悩み)を解消して(ゴール)を叶える書籍です。」
といったように、誰かに紹介するときに伝わりやすいコンセプトを考えていきましょう。
たとえば、ダイエットがテーマの場合はこう紹介できそうです。
「この本は10㎏太った女性の悩みを2ヶ月で解消する、運動音痴でも-10kgを叶えるダイエット本です。」
このようなコンセプトが考えられるでしょう。
書籍タイトルの決定
コンセプトを設計したら魅力的な書籍タイトルを考えていきます。

書籍タイトルで重要なのは、「書籍を読むベネフィットの訴求」です。
ベネフィットとは読者がサービスを利用した際に得られる利益や恩恵を指しています。
| ベネフィットの具体例 会計ソフト:「AIに任せて経理作業の時間を80%削減できます」 英会話スクール:「たった3ヶ月で日常英会話が習得できます」 |
外注する前に、自社のサービスの特徴やメリットをまとめておき、書籍タイトルに落とし込めるように準備しておきましょう。
構成作成
コンセプトや書籍タイトルが決定したら、記事構成を作成していきます。読者の悩みを順番に解決できるような章立て(目次)を考えましょう。
記事構成は、建築にたとえるとマイホームの木材と柱を用意する段階です。記事構成は、「記事構成7割、執筆3割」といわれるくらい重要な工程です。
ダイエットの書籍を構成した場合の具体例です。
| 第1章:運動で消費カロリーを増やそう 第2章:食事で摂取カロリーを減らそう 第3章:ダイエットサプリを飲む 第4章:自分に合ったダイエット方法のみつけ方 第5章:余計に太る5つの生活習慣 第6章:骨格別のダイエット法 第7章:ダイエット法を実践した方の体験談 |

章立てや小見出しの構築は、マインドマップでの整理がおすすめです。外注時の打ち合わせの際に、イメージ共有しやすいのが魅力です。
執筆で迷わないように、章ごとの指示書きや参考資料をまとめるのも構成の役割です。結論と理由を指示書に残しておくと、後の執筆がスムーズになるでしょう。
最後に、章ごとの文字数を決めれば構成案の完成です。
執筆・編集・校正
記事構成の次は、文章の執筆と編集・校正です。書く内容に関しては、記事構成の指示書きと参考資料に沿ってライターが執筆していきます。
外注の際は、ワーカーにPREP法のような文章の型を共有しておくと品質があがりやすいでしょう。執筆が完了したら、編集と校正の担当が文章を修正して原稿が完成します。

外注の場合は執筆と修正担当は、分業体制で品質を担保するのが一般的です。
| 役割 | 役割の違い |
| 執筆 | 記事構成に沿った本文の執筆を担当 |
| 編集 | 記事がわかりやすくなるようにレイアウト変更や加筆・修正を担当 |
| 校正 | 誤字脱字チェックや日本語の誤用などを修正を担当 |
表紙制作
電子書籍の表紙制作は、PhotoshopやCanvaなどのデザインソフトで作成します。外注する場合は外部のデザイナーに委託します。
デザインカンプか表紙のデザインサンプルを外部ワーカーに共有しておくと、やりとりがスムーズになり品質を担保しやすいでしょう。
E-PUB化
完成した原稿はE-PUB化することで、はじめてAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)で出版できます。

E-PUB(イーパブ)とは「Electronic Publication」の略で、電子書籍のための国際標準ファイルの形式を指しています。要するに、電子書籍がスマホやタブレットで読みやすい形式のことです。
GoogleドキュメントやWordの原稿を、E-PUB作成ツールを活用すればE-PUBに変換できます。E-PUB化を専門のワーカーに委託すれば、原稿を縦書きに変えたり、レイアウトを整えてくれたりと品質を担保できるでしょう。
KDP登録と出版
E-PUB化した原稿をAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)に登録すれば出版完了です。KDPの登録作業は作業を細分化すると、以下のステップが必要です。
- KDPアカウントの登録
- 本の紹介文の準備
- 著者プロフィールの入力
- 本の価格設定
- 7つのキーワード選定
- E-PUB化した原稿・表紙の画像をKDPに登録
内製だと意外に時間を要する作業のため、コア業務に注力したい方はKDP登録もできるワーカーを選ぶのが理想です。
電子書籍を外注すると「どこまで」任せられるのか

結論からいうと電子書籍化は、すべて外注でも対応できます。しかし、すべて外注化するのではなく社内の意見も共有しながら進めるのがベストです。
予算削減のためにも自社の得意分野は内製を実施して、スキル不足な工程を外部ワーカーに委託する。自社スタッフの育成によって、外注に依存しないといった社内の負担を減らすことも大切になるでしょう。
下記の内容を参考に外注化できる範囲を検討してみてください。
企画・構成立案
クラウドソーシングなら、企画と構成立案の担当を募集できます。電子書籍の企画・立案における方法をマニュアル化できれば、一部外注でも可能です。
企画や構成立案は、読者へのリーチを左右する最も大切な要素です。したがって、類似ジャンルでAmazonランキング上位を獲得している外部ワーカーに任せた方が、よい成果が得やすいでしょう。

電子書籍化の全工程を任せられる、フルパッケージの商品もあります。電子書籍のリサーチに特化したいなら、こちらもおすすめです。
執筆・編集・校正
執筆と修正作業は、外部のWebライターにまとめて委託できます。また、記事構成も請け負ってくれるライターも在籍しています。
クラウドソーシングで電子書籍の執筆者の募集をかければ、ライティング専門のワーカーがみつかるでしょう。

ランサーズでは、電子書籍専門のスキルパッケージが出品されています。ですので、スキルパッケージを探して依頼する方法もあります。
表紙デザイン
表紙デザインは、文章工程と独立してデザイナーに依頼します。ランサーズやココナラで「電子書籍 表紙デザイン」で検索すると電子書籍の表紙デザインを請け負っているワーカーがみつかるでしょう。

引用元:ランサーズ
入稿・出版サポート
KDPへの入稿に必要な、E-PUB化を専門にしたワーカーに依頼すると入稿や出版作業を短縮できます。E-PUB化を外注したい方は、ココナラかランサーズで探してみるとワーカーがみつかりやすいでしょう。

引用元:ランサーズ
電子書籍の外注費用相場はいくら?

外注範囲を把握できたら、工程別に掛かる外注費をみていきましょう。併せて作業を丸投げした場合の総額と、費用が上下しやすいケースも解説していきます。
工程別の費用相場
具体的な工程別の費用相場は以下のとおりです。
企画構成
企画構成は、企画した内容を元にライターが記事構成をするため役割が独立しています。
| ライターのレベル | 文字単価の目安 | 備考 |
| 企画 | 5,000円~3万円 | 企画の主な役割は以下のとおりです。 ・リサーチ・ターゲット分析・同ジャンルの人気書籍の分析 |
| 構成案 | 3,000円~2万円 | 構成案の役割は以下のとおりです。 ・書籍タイトルの決定 ・目次や章立て・参考書籍や情報ソースの記載 |
執筆
執筆費用は、文字単価で計算されるのが一般的です。ライタースキルにあわせて1文字の単価が大きく変動します。
| ライターのレベル | 文字単価の目安 | 備考 |
| 初級者 | 0.5円~1.5円 | ・基本的なライティングスキルを習得している。 ・コラムや量産型の記事が書ける。 |
| 中級者 | 2.0円~5.0円 | ・記事構成ができる。 ・専門の知識や経験を持っている。 |
| 上級者 | 5.0円~ | ・監修者、取材スキルを持っている。 ・Amazonランキング上位の書籍を書いた経験がある。 ・職務経験やジャンルの資格を持っている。 |
たとえば「1万文字につき2万円」といった、文字数に応じた価格が提示されている場合は、3万文字ボリュームの電子書籍を希望する場合は6万円の費用がかかります。
編集・校正
執筆担当とは別に、編集や校正のライターに外注する必要があります。執筆した原稿をブラッシュアップするためにも、編集・校正は大切な役割を担います。
| ライターのレベル | 文字単価の目安 | 備考 |
| 校正 | 0.5円~1.5円 | 誤字脱字や主語のねじれの修正を行う。 |
| 校正+編集 | 2.0円~5.0円 | レイアウトや文章構成の修正などを行う。 |
表紙デザイン
表紙デザインは、商品のパッケージと同じで第1印象を左右する要素です。予算をかける価値は十分にあるでしょう。
| 項目 | 文字単価の目安 | 備考 |
| クラウドソーシング | 5,000円~5万円 | 初級者から中級者に依頼しやすい。 |
| 個人のデザイナー | 3万円~10万円 | デザイナーのスキルや実績によって変動する。 |
入稿
電子書籍でいう入稿とは、原稿のE-PUB化とKDPへの登録が該当します。
| 項目 | 価格の目安 | 備考 |
| E-PUB | 1万円~5万円 | 縦書き変換によるレイアウトの調整、ページ数により変動する。 |
| KDP出版 | 5,000円~ | KDP出版代行のみ対応してくれる。 |
「丸投げ」した場合の総額目安
電子書籍4万文字の全工程を丸投げするケースを想定すると、費用に20万円〜80万円以上の幅が出てきます。なぜなら外注費は、ページのボリュームやワーカーのレベル次第で大きく変動するからです。

それに、リサーチやE-PUB化、表紙デザインの費用も別途発生します。
あくまで目安のため、実際に電子書籍の制作を丸投げする場合は、工程別の費用を把握してから依頼してください。
費用が高くなるケース・安く抑えられるケース
外注費は以下のケースから大きく変動します。安く抑えるコツは、自社で補えるポイントを洗い出すことです。
外注範囲が広いほど、費用が高くなるため注意しましょう。

また、ベストセラー作家のようなブランドネームがある方への依頼は、費用が高くなる傾向にあります。
| 費用が高くなるケース | 費用が安く抑えられるケース |
| ・作家やライターのスキルが高い ・オウンドメディアやSNS運用といった導線設計も委託したい ・ブランドネームが高い書籍 ・文字数とページのボリュームが多い ・デザイナーのスキルが高い ・委託する工程と人数が多い | ・社内の原稿を書籍化する ・得意分野は内製する ・すでに自社メディアに潜在顧客が存在している ・インサイドセールスに優れた部署がある ・社内にスキルがある人材がいる ・クラウドソーシングで低単価で募集する |
電子書籍の外注化が向いている企業・向いていない企業

電子書籍の外注化が向いている企業と、向いていない企業の特徴もみていきましょう。
外注化が向いている企業・個人
外注化が向いているケースは、以下3つの要素が揃っています。
- 人的なリソースが不足している
- インサイドセールスのスキルが不足している
- 人材の採用や育成できる余力がない
それぞれの項目を解説していきます。
人的なリソースが不足している
人的なリソースが少ない企業は、外注化に向いています。
チームの構築や教育に時間やコストが割かれることなく、効率的に電子書籍の制作が進むでしょう。
インサイドセールスのスキルが不足している
専門スキルを有する人材を確保できるため、自社に適した人材がいない場合は外注が向いています。即戦力のため、インサイドセールスで迅速に成果をあげてくれやすいでしょう。
人材の採用や育成できる余力がない
自社に新しい部門を立ち上げる余力がない場合は、外注化が向いています。外注によって採用や研修、業務フローの確立などのコストを削減できるからです。
専門性を有する人材を確保できるため、ハイクオリティーな電子書籍制作と書籍を迅速に提供できることが魅力です。
外注せず内製の方が向いているケース
内製が向いているケースは、以下3つの要素が揃っています。
- 人的なリソースに余裕がある
- インサイドセールスのスキルが自社にある
- 業務フローを構築できる
それぞれの項目を解説していきます。
人的なリソースに余裕がある
内製化の推進は、既存の部門から人的なリソースを割いてしまい、業務過多に陥るリスクが生じます。そのため、人的なリソースに余裕がある方が内製向きといえるでしょう。
インサイドセールスのスキルが自社にある
自社にWebマーケティング部門のような、ノウハウがある企業は内製向きといえます。特化した部門を教育すれば、電子書籍の制作業務の内製化を達成できるでしょう。
業務フローを構築できる
インサイドセールスチームを構築して、業務フローを確立できる企業は内製が向いています。かつチームを教育できる環境やノウハウが揃っている場合は、内製に向いているケースといえるでしょう。
電子書籍の外注先の種類と選び方

次に外注先の種類と選び方を解説します。
- 外注先の種類
- 失敗しない外注先の選定ポイント
- 価格だけで選ぶと失敗しやすい理由
- 電子書籍外注でよくある失敗事例
それぞれの項目を解説していきます。
外注先の種類
外注先の種類は、以下の4種類です。
- クラウドソーシング
- 制作会社
- 個人出版・Kindle出版代行
- マッチングサービス
外注先の種類1:クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、インターネット上から登録ワーカーに仕事を依頼できるプラットフォームのことを指しています。
このプラットフォーム内に登録しているワーカーに業務委託できます。クラウドソーシングは、以下のプラットフォームが有名です。
| プラットフォーム名 | 対応範囲 | 公式サイト |
| クラウドワークス | 電子書籍制作全般、原稿執筆、表紙デザイン、E-PUB化 | crowdworks.jp |
| ランサーズ | 電子書籍制作全般、原稿執筆、表紙デザイン、E-PUB化 | lancers.jp |
| ココナラ | 電子書籍制作全般、原稿執筆、表紙デザイン、E-PUB化 | https://coconala.com |
外注先の種類2:制作会社
制作会社とは、依頼を受けて「コンテンツや書籍を作る事業」のことを指します。クライアントの目的にあわせて、企画や執筆などをまとめて請け負います。
| 会社名 | 対応範囲 | 公式サイトURL |
| 株式会社スマートゲート | E-PUB制作のみ | smartgate.jp |
| 有限会社ワイズネット | 紙媒体の電子書籍化、Amazon・Apple・楽天koboへの登録代行 | https://www.yznet.co.jp/ |
外注先の種類3:個人出版・Kindle出版代行
個人向けのkindle出版サービスです。個人が執筆した原稿の電子書籍化をサポートしてくれます。
| サービス名 | 対応範囲 | 公式サイト |
| パブフル | 電子書籍制作全般、原稿執筆、表紙デザイン、E-PUB化 | pubfull.com |
| BookIssue | 電子書籍制作全般、原稿執筆、表紙デザイン、E-PUB化、KDPの登録代行 | https://bookissue.biz/ |
外注先の種類4:マッチングサービス【ミライトマッチ】
マッチングサービスとは、個人や企業同士をつなげて、新たな取引機会を生み出せるオンラインプラットフォームです。ユーザーは企業案件を効率的に探せる上に、担当者が面談や金額調整を担当するため、スムーズにできるのが特徴です。
たとえば、マッチングサ-ビスのミライトマッチは、高いスキルのライターと契約できるオンラインプラットフォームです。案件の文字単価は平均2.5円以上と高単価案件が多いため、スキルや実績があるライターと契約できます。
即戦力とマッチングしやすいため、クオリティーが高い電子書籍の制作代行を外注できるでしょう。
また登録時は「実名登録」のため、ワーカーの信頼性という観点からも安心して依頼できるマッチングサービスのひとつです。

一方で用途が似ているクラウドソーシングは、初心者が実績を積むために登録している方が多くいます。依頼してもクオリティーが下がる恐れがあるため、品質を担保するならマッチングサービスがおすすめです。
失敗しない外注先の選定ポイント
外注先の選定は、以下6つのポイントをおさえるのがよいでしょう。
- 手掛けた電子書籍のAmazonランキング
- 執筆実績
- 読者のレビュー
- 委託できる業務範囲
- 記事サンプルでのライティングスキルの精査
- デザインのクオリティー
特に、納品物のスキル評価とAmazonレビューの有無については、精査した方がよいでしょう。
価格だけで選ぶと失敗しやすい理由
コストを抑えられるという理由から、価格だけで選ぶと失敗する恐れがあります。低価格の背景には、リサーチやライティングスキル不足が考えられるからです。
また、電子書籍の執筆実績を増やしたいという理由も考えられます。価格の低さのみに重点を置くと、以下のデメリットが生じる恐れがあります。
- 誤字脱字が多い
- 書籍の構成力不足
- 出版しても誰にも読まれない
- 表紙デザインが低クオリティー
このような失敗も起こり得るため、価格のみで決めないようにしてください。
電子書籍外注でよくある失敗事例

電子書籍の外注によって内製の手間が省けるのは事実です。ただし、電子書籍を発行さえできれば必ず読まれるとは限りません。
ここからは、筆者の失敗事例をご紹介しますので、外注を検討中の方は参考にしてください。
目的が曖昧なまま制作してしまった
はじめて、電子書籍の原稿を外注したときのお話ですが、目的整理をせずに曖昧な指示で執筆を外部ワーカー1名に投げた経験があります。
執筆のみを一部外注して、本文が完成しても違和感を感じました。文章の上手い下手以前に、読者目線ではなくて、主観で書いた雑記のような原稿ができてしまったのです。
当時を思い返すとわかるのですが、「書籍の出版を自慢したかった」だけで目的整理が主観的だったのです。
目的が曖昧だと、読者のターゲット像が定まりません。日記のようなターゲットが曖昧な書籍になるため、読者に読まれないという失敗例です。
安さだけで外注して品質が担保できなかった
過去にクラウドソーシングで外部ワーカーに、低予算の外注をして痛い目をみた失敗談です。電子書籍の執筆を委託したくて、1名のワーカーに2万文字の原稿を外注したのですが、品質がいまいちだったのです。
おそらく経験が浅いライターだったためか、フィードバックを反映してくれずに、修正する工数と費用が増えてしまいました。安価な外注で失敗した理由は、低単価案件は実績が欲しい初心者が応募してくるからです。
経験者ほど相場と労力の多さを理解しているため、優秀な執筆者がみつかる確率は低いといえるでしょう
出版しただけで終わってしまった
初版の出版時に出版しても誰にも読まれないという失敗談もあります。表紙デザインや原稿の執筆を一部外注したのですが、リサーチと導線設計を疎かにしていました。
- 職人気質なのでデザインと文章のみにこだわりすぎた
- SNSで書籍リリースの告知をしていない
- 書籍ジャンルの需要を調べていない
- SNSやブログなどでの導線がない
- Xのアカウントがあっても、投稿はほとんどしていない
このような要因が重なった結果、出版で終わる事態に発展してしまったのです。。制作の苦労と外注費のみが残ってしまいました。
失敗要因は、リサーチと導線設計を疎かにしていたからです。ライティングやデザインを内製してリサーチを外注するべきだったと後悔した失敗談です。
表紙イメージが曖昧なまま外注してしまった
クラウドソーシングで表紙デザインをはじめて外注した頃の失敗談です。打合せの際に口頭でデザインのイメージを伝えてしまい、納品物が微妙だったという例です。
抽象的なイメージの伝え方では、外注先は具体的な制作物がイメージできません。したがって、イメージ共有用のデザインカンプや参考書籍のデザインサンプルを用意しておかなかったことを後悔しました。
修正が別料金だったので、結局自宅のPhotoshopで修正することにしたのでした。
E-PUB化を別ワーカーに依頼して費用が増えた
電子書籍をはじめて制作した頃は、企画や記事構成と執筆がメインになると認識していました。しかし、実際に制作を進めると知らない制作工程が多くて、費用が増えてしまった失敗経験があります。
たとえば、E-PUB化のプロセスです。私の場合は、「Googleドキュメントで文章さえ完成すれば、あとはKDPに読み込ませるだけだから出版は目前」と勘違いしていました。
しかし正しい手順は、GoogleドキュメントをE-PUB化して縦書きやレイアウト調整してから、KDPに入稿するのが正しい手順だったのです。
結果としてE-PUB化の知識は皆無だったため、ココナラで外部ワーカーに委託して想定外の予算が増えてしまったのでした。
電子書籍の外注化で「成果を出す」ためのコツ

電子書籍の外注化には以下3つのコツがあります。
- 出版=ゴールにしない
- 営業・集客導線とセットで設計する
- 専門ライター・編集者を活用する
それぞれのコツを詳しく解説していきます。
出版=ゴールにしない

失敗例で述べたとおりで出版がゴールではありません。出版の目的は、「書籍の提供で読者の悩みに対する解決策を提示する」のがゴールです。
そこには、LINE@やメルマガ登録や個別コンサルなどの訴求も入るでしょう。つまり電子書籍は、あなたの紹介したいサービスへの架け橋なのです。
そのため、書籍が読者に認知されない限りは、出版の労力が報われるとはいえません。そのため、読者の認知を第一にしたコンテンツ設計が重要になるでしょう。
営業・集客導線とセットで設計する

電子書籍の認知度をあげるには、効率的な導線設計が必要です。
導線の一例ですが、以下のような導線設計が考えられます。
- X(旧Twitter)でフォロワーを増やす
- SEO対策で自社サイトのアクセスを増やす
- 配布資料にURLを添付する
- Amazonランキングで1位を獲る
適切な導線設計から、電子書籍を認知するユーザーが増えます。したがって、電子書籍のリリース前から、導線を設計しておき告知できる仕組み作りも重要になるでしょう。
専門ライター・編集者を活用する
読まれる電子書籍の制作には、ライティングスキルを有する人材が欠かせません。仮に営業・集客導線が確立されていても、ライティングスキルが低いと書籍が読了されずに終わります。

書籍の内容が薄いとAmazonレビューに低評価がつくリスクもあります。
したがって、専門ライター・編集者などのライティングに特化した外部ワーカーへの外注も重要な選択肢になるでしょう。
電子書籍制作を外注するなら、ミライトマッチ

電子書籍制作を依頼をするなら、ミライトマッチがおすすめです。
ミライトマッチでは、コストとクオリティの両立を実現したい方に、最適な人材をマッチングできる体制が整っています。
新しい外注先を探す作業は時間と労力が強いられます。
しかし、ミライトマッチでは厳選された経験豊富な人材が揃っていますので、安心して依頼頂けます。
専門分野に強いプロ人材が3,000名以上登録
ミライトマッチには、全国に約3,000名以上の記事・書籍制作に対応できる担当者が登録しており、あらゆる業種・幅広いジャンルに対応できる、専門性を持ったプロ人材が揃っています。

もちろん、フリーランスのライターをクラウド上で集める方法もありますが、正確性・継続性・専門性を兼ね備えた人材を安定して確保することは、決して簡単ではありません。
だからこそ、ミライトマッチを活用し、自社に寄り添いながら力を発揮してくれる“最高のパートナー”を見つけていただければと思います。
まとめ|電子書籍を成功させるために

電子書籍の制作は、構成力や専門性、編集、入稿までが求められる難易度の高いコンテンツです。しかし、正しい外注方法を理解すれば適正価格でも外注できます。
外注には、一部外注とフル外注があり、コスト、スピード、品質の観点から内製との使い分けが重要になるでしょう。理由は電子書籍制作の外注範囲は「目的整理からリサーチ、企画・構成、執筆、修正、表紙制作、E-PUB化、KDP登録」と広範囲だからです。
費用は文字数や外部ワーカーのレベルにより大きく変動し、丸投げでは高額になりがちです。ですので、内製できる業務の把握と外注したい業務範囲の線引きが重要です。
書籍の内容の充実と普及を重視したい場合は、集客導線の構築と専門スキルを有するライターへの依頼が必要になるでしょう。
監修者プロフィール

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ライター歴3年目のフリーランスWebライター。
20代は東京にて、通信業、IT企業、アパレル、民泊などの経験を経たあとに、アフィリエイトサイトの立ち上げをきっかけに、2021年の30代でフリーランスのWebライターとして独立。
具体的には、SEOライティングやnoteの記事制作代行、オウンドメディアの記事執筆、ブックライターなどを実施している。
執筆実績は、約1,000件以上でゲーム、婚活、恋愛、AGA、ヘルスケア、ガジェット系、副業、転職ジャンルなどの執筆を手掛けた実績がある。
中でも電子書籍の発刊に関しては、恋愛系の電子書籍を出版。初月から印税収入を獲得した経験がある。
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- 2025年12月23日記事制作電子書籍の外注化と内製の違い|高レベルのライターに適正価格で外注する方法とコツ




